アクティブファンドは日本を救う?草食投資隊2022セミナー参加レビュー「長期分散積立」
こんにちは!ごつこさん(@gotukosan)です。
2022年04月25日(月)に草食投資隊2022 〜日本の未来のために、私たちができること〜(動画セミナー)に参加しました。
19:00開催の為、早めに仕事を終えて自宅に帰ってゆっくり参加しようと思っていましたが業務終了間際、急遽ミーティング参加の業務命令が・・・。
自宅に帰ると間に合わない為、急いで職場近くのドトールコーヒーに入りセミナー参加の準備をして5分遅れで参加する事が出来ました。
こんな事もあろうかと、日頃からノートパソコンは持参しているのです。
ドトールコーヒーの終了時刻が21時で、店員さんから「そろそろ閉店です。」と声をかけられ、登壇者のお三方の最後の締めの言葉を聞く事が出来なかったのがとても心残りです。
この記事では草食投資隊セミナーの内容について語るとともに、草食投資隊って?長期投資ってメリットあるの?について解説していきたいと思います。
- 投資のプロ目線で今後の日本の未来を垣間見れます
- アクティブファンドの魅力がわかります
✔先に要約
- 今まで:平成の30年は逆風で相対的に衰えた
- 今後の日本:昭和世代からZ世代への世代交代の良し悪しで変わる
- 投資を続ける理由:投資信託の重要な社会的使命は、選別峻別存在してはいけない企業にNOを出し、頑張る企業にYESする使命
セミナーの内容
セミナーのサブタイトルにもなっている、「日本の未来のために、私たちができること」をお題に、独立系投資信託の代表の3人が日本の「過去」「現在」「未来」について資産運用会社・投資家目線で熱く談義する内容でした。
2時間のセミナーがあっという間に感じられるほどの熱量あるトークでした。いつかオフラインでのセミナーにも参加し、お三方の熱量を肌で実感してみたいと思いました。
セミナーの登壇者
セミナーの登壇者は以下の3人です。
- セゾン投信株式会社 代表取締役会長CEO 中野 晴啓氏
- コモンズ投信株式会社 取締役会長 渋澤 健氏
- レオス・キャピタルワークス株式会社 代表取締役会長兼社長 最高投資責任者(CIO) 藤野 英人氏
まめ知識ですが、コモンズ投信株式会社の渋澤 健氏は、あの一万円札の肖像になる予定である渋沢栄一の(5代目の孫)子孫なんです。
そもそも草食投資隊ってなに?
セゾン投信の中野 晴啓氏とコモンズ投信の渋澤 健氏とひふみ投信の藤野 英人氏の三人が、「長期投資を根付かせたい」との思いでライバル3社にも関わらず結束し2010年発足したものです。
書籍も出しております。以下の内容が充実しておりとても楽しめ、アクティブファンドいいじゃん!長期投資最高!と思わせてくれる書籍です
- アクティブファンドの魅力
- 長期投資の重要性
- 各社の特色
- 投信業界の闇
セゾン投信・ひふみ投信・コモンズ投信の比較
簡単に各社の概要を表にまとめてみました。
ブランド名 | セゾン投信 | ひふみ投信 | コモンズ投信 |
主要銘柄 | セゾン・バンガード・ グローバルバランスファンド | ひふみ投信 | コモンズ30ファンド |
運用会社 | セゾン投信 | レオス・キャピタルワークス | コモンズ投信 |
運用方式 | パッシブ系アクティブ | アクティブ | アクティブ |
基準価額※1 | 19,464円 | 54,441円 | 37,207円 |
純資産額※1 | 3112億2600万円 | 1369億500万円 | 335億5000万円 |
手数料 (上限・税込) | 0.00% | 0.00% | 直販0.0% 販売会社0.0%~3.3% |
信託報酬 | 0.56%±0.02%程度 | 1.078% 運用年数により変動 | 1.078%‐0.748% 純資産総額により変動 |
設定日 | 2007年3月15日 | 2008年10月01日 | 2009年1月19日 |
投資対象地域 | 国内外 グローバル (日本を含む) | 国内外 グローバル (日本を含む) | グローバル (日本を含む) |
投資対象資産 | 資産複合 | 株式 | 株式 |
騰落率 | 26.7%~‐7.9% 平均8.5% | 47.1%~‒21.4% 平均14.6% | 50.3%~-16.9% 平均13.4% |
非課税制度 | 一般NISA、つみたてNISA | 一般NISA、つみたてNISA | つみたてNISA、iDeCo 運用証券会社による |
購入価格 | 10,000円以上1円単位 | 1千円~ | 証券会社による |
販売会社 | 自社 販売会社18社 | 自社のみ (同等商品ひふみプラス販売会社多数) | 自社 銀行 24社 証券会社19社 iDeCo 3社 |
ファンドの特色 | 株式50%債権50% バンガード社ETF組合せ | 割安な成長株を厳選し 長期投資 | 30年目線の長期投資 30銘柄厳選 |
目論見書リンク | 目論見書 | 目論見書 | 目論見書 |
※1 2022年5月現在の情報を元に記載
3社共アクティブファンドと呼ばれる、ファンドマネージャーが投資対象銘柄や地域や比率を選定して運用するファンドです。各社特色が違えど、「長期」「つみたて」「分散」を推奨している会社になります。
3社共通の特色
3社に共通している特色として
- 投資対象の企業を徹底分析
- 企業との対話を重視
- 受益者(投資家)との対話
- 長期積立投資を提唱
- つみたてNISA対象
- アクティブファンドの中では低い信託報酬
といった特色が共通しております。アクティブファンドが毛嫌いされているのは、世の中にゴミファンド、販売方法がひどく、良いイメージが定着しないからです。
- 高い信託報酬
- 毎月分配(たこ足配当)方式のゴミファンドを高齢者に売りつける
- 販売会社が手数料を取る為に直ぐに別商品を勧める
- トレンドに乗ったファンドが立ち上がっては消える
- 結局長続きしないので資産が減る
こんなイメージを持たれない様に、3社は販売会社ともしっかり対話し、エンドユーザーに理念が届くように活動しております。
タイムライン
セミナーが始まり、司会者の方がつど議題を提示し議論するパネルディスカッション形式で進められていました。
視聴者のアンケート
流石にアクティブファンド主催のセミナーなので、「長期投資していますか?」という説明に対して97%の方が「長期投資している」という回答でした。若年層はつみたてNISAが多くなってきていて2,000万円問題が転換点との事。
藤野さん曰く、手ごたえありもまだまだ投資についてポジティブに思っている人が少ないイメージだそうです。
私のまわりでもつみたてNISAをやっている人は少なく、「投資」「お金」について話す場はほとんどありません。実はみんな話さないだけで実際は投資をしている可能性はありますけどね。
登壇者3人10年間の変化は?
草食投資隊は「長期積立投資を全国に広めたい」という共通の思いから2010年に結成。現在は3人とも各社の会長となり組織としても大きくなったと発言されておりました。
長期積立投資の理念は変わらない。見えない価値を可視化し、新しい資本主義の議論にも参加した。コモンズ投信も変わってきた。新陳代謝で化学反応が起きている。(渋澤氏談)
岸田政権の新しい資本主義について聞きたい所でしたが、内容は語られる事はありませんでした。そりゃそうですよね。日本の行く末を担う方針になる可能性があるわけですから。
3社が育っていかないと長期投資が育っていかない。独立系に目を向けてもらいたい、日本の運用状態が浄化して正常化したい。(中野氏談)
インデックスファンドが現在最適解と言った流れになってますが、良い企業・成長性のある企業にアクティブに長く投資する文化を作りたい思いがあるのだと思います。
政府がとんちんかんな話をしている。投資をしていない人としている人の差が広がる。多くの人に投資する行動をとらないといけない。ひふみ投信のファンドマネージャー離れた事でできた時間でひふみシリーズ全体を見る事が出来、投資を広める活動もできる。(藤野氏談)
2022年4月1日に藤野さんがひふみ投信のファンドマネージャーを外れるという衝撃的なお知らせが届き、正直びっくりしました。これから応援しようと活動していた矢先だっただけに。でも内容を確認すると投資文化を広める活動が出来る体制強化だったので安心しました。
藤野英人さんがひふみ投信のファンドマネージャーを離れて、体制強化した件については以下の記事で詳しく書きましたので参考にしてみて下さい。
【参考記事】ひふみやめた方がいい?ファンドマネージャー交代でも大丈夫な理由を考えてみた
今までの市況の変化は?
では世の中の今までの10年間はどうだったのでしょうか?
私の10年間は東日本大震災以降、家を建て、子供が生まれ、貯金と多額の学資保険・年金保険をかけまくり、仕事が激務で中々忙しい日々を送っており、「投資」については何も知識もありませんでしたし、周りにだれもやっている人は居ませんでした。
漠然とした不安を感じたのは、2013年に会社突然自分で退職金は自分で運用しろと企業型DCを渡されてからでした。その後保険に入り、貯金をし、年に一度、保険屋に決めてもらった企業型DCの商品の運用状況を確認つつ、「ウエルスナビ」「とらのこ」と言ったAI自動化の投資アプリを申し込みはしたものの、投資に抵抗感があり始める決心がつきませんでした。
2020年に9年程たった企業型DCの運用益が凄く、学資保険より掛け金が少ないのに運用益が多い事実に気付き、数々のYouTubeや書籍に出会い、今に至ります。
ごつこさんの話はどうでもいいから早くお三方の話を聞かせてよ!
というツッコミが入りそうなので先に進めます。
冷戦終わりグローバル化になった。新しい価値観 日本の役割エネルギー化石燃料どうするか。太陽光・核融合・ダイバーシティ・SDGsこれからの30年どうなるか楽しみ(藤野氏談)
核融合って原子力とは違うの?と思い調べてみましたが、「軽い原子を高温でぶつけて分裂させるのが核融合=核融合発電」、「重たい原子核を2個に割るのが核分裂=原子力発電」なんですね。海水からエネルギーを作り出せる為未来のエネルギーとして期待されています。
未来をつくる エネルギー – 核融合科学研究所
今後の日本の役割として、民主主義の国家の中ではおもしろい立ち位置いる。今後は各国への関係力を生かし伴走役としての活躍や、資源搾取ではなく人材育成で活躍していくのでは。(渋澤氏談)
ロシアのウクライナ侵攻により、共産主義と資本主義の分断が今後も広がりそうですが、日本の今後の立ち位置や立ち回りについて語られていました。
戦争がリアルで見れる状況、嘘がばれる情報社会の転換期。平成の30年は逆風で相対的に衰えた。良くなってない悪い円安でさすがに多くの人が気付いたのでは?(中野氏談)
たしかに、2022年5月現在、1ドル=130円の円安が急激進み、1か月で8円程度の急上昇はテレビやネットでも話題になり、さすがに巷でも話題になっていますね。むしろ日本にとってはもう遅いのかもしれませんが、国民みんなが気付いて良い方向に全力で変わっていくといいですけどね。
現状、「円安」「日米金利差」「金利上昇」「貿易赤字」「賃金上昇停滞」「少子高齢化」など今の日本は悪材料を上げればきりがないくらい出てきますが、その中でも明るい業種や成長する企業はきっと出てくるはずですからそういった所をウォッチして応援する事が重要なんですね。
今後の日本のゆくえは?
だんだん登壇者のお三方も答弁に熱がこもってきました。司会者の方が「それでは今後の日本の行く末はどうなるとお考えですか?」の質問に対し、以下の様に答えてくれました。
大企業が貯め込んでいる内部留保金をどう使うか、有名企業ほど優秀な経営者に変われば伸びる可能性がある。ナノテクノロジー・バイオに活路。まっとうな企業が頭を出してくれば運用会社が選定しお金を入れる事で世界も見向きをしてくれる。(中野氏談)
日本はバイオベンチャー企業(ユーグレナ・スパイバーなど)が躍進しつつありますからね。今後注目です。
2つの改革が必要、大企業のガバナンスを変えるキャッシュと技術力。44歳年下の企業経営者社長の部下になった。今まで9000人以上の経営者のプレゼンを見てきたけど彼がナンバーワン!堀江さん・成毛さんも絶賛していた。若い人たちと一緒に成長していく必要がある。(藤野氏談)
NewsPicksのYouTubeで、堀江貴文さん、成毛眞さんがべた褒めしていたすごい小学生の事です。圧倒的なプレゼン力と課題解決力がすごくて将来有望な方だと思いました。
以下にリ レウォンさんについての関連リンクを貼り付けますので、是非見てみて下さい。
メイドwihtジャパンに期待している。若い世代の感性が重要。大企業が「年功序列」「終身雇用」等の悪しき文化を撤廃出来るか、そうしないと超優秀な人は大企業に入らない。(渋澤氏談)
昭和世代の企業は今後生き残れない時代になりそうですね。
まだ変化は感じられないともおっしゃってました。新しい価値を作り出すZ世代(0~20代)と古い価値にしがみつこうとする昭和世代の綱引き合戦でどちらに軍配があがるかで今後の日本の未来が決まるような気がしました。
それでも(それだから)投資を続ける理由?
最後のトークテーマでは、不安定な市場、先の見えない日本像を抱えながらもそれでも(それだから)投資を続ける理由を語ってくれました。
逆ピラミッド構造を変えるには自分たちの意思で投資する必要がある。インデックスファンドではできない。投資家はパートナー、一緒に価値を作る仲間。仲間と共にファンドを運営していきたい(渋澤氏談)
投資家は仲間と考えてくれるファンドだと連帯感が生まれますね
インデックス過渡期にきている。投資信託の重要な社会的使命は、選別峻別存在してはいけない企業にNOを出し、頑張る企業にYESする使命がある。はたしてインデックスは選別できるのか。(中野氏談)
少なからずポジショントークも入っているとは思いますが、私も同意する部分があるので、インデックス+アクティブのどちらにも運用しています。
引退しても投資する(笑)投資で面白いのは30年後の未来を見る事ができる。(藤野氏談)
もう投資が人生なのか人生が投資なのかわからないくらい投資家が肌に染み込んでますね。
Q&A
トークセッションは終了し、Q&Aのコーナーになりました。いくつか抜粋して紹介します。
Q:最近大手企業が、業績もよいのに早期退職者を募っていると聞きます。そういった企業は、先ほどおっしゃったような粘土層を少なくして、企業の若返りを図っていると理解すればいいのでしょうか?
A:YES!!
結論早っ!
Q:親が投資はギャンブルと言うのですが
A:損得ではない投資は新たな価値を生み出すところを応援する。70歳にもなってわからないのか
言い方きつっ!
Q:今後、GAFAMのようなイノベーションを起こす日本の企業や経営者は出てきますか?
A:GAFAMのような企業は生まれない。日本はある程度規模があるため海外に進出しようと思わないし規制が厳しすぎる
私も色々な動画や書籍を見て思うのですが日本は規制が厳しすぎて中国・米国企業から遅れをとりまくりですよね。ドローンなんかいい例で、市中を飛ばすにはその配下の土地所有者に許可が必要なんですって。それは遅れをとりますよね。
まとめ:アクティブファンドは日本の成長には不可欠!
- 今まで:平成の30年は逆風で相対的に衰えた
- 今後の日本:昭和世代からZ世代への世代交代の良し悪しで変わる
- 投資を続ける理由:投資信託の重要な社会的使命は、選別峻別存在してはいけない企業にNOを出し、頑張る企業にYESする使命
私はインデックスファンドもアクティブファンドもどちらも運用しています。投資文化が広がり、本当に良い企業が生き残り日本が成長すると良いですね。
それはまた、ごつこさんでした。
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※本記事は、特定の銘柄や投資方法を推奨するものではございません。くれぐれも投資は自己責任・自己判断でおねがいいたします。