大阪株散歩一人旅|サントリー山崎蒸溜所とアサヒ美術館でブランド価値を感じてきた
2026年7月、出張に合わせて、初めての関西一人旅に行きました。
今回の旅の目的の一つは、株散歩です。
別記事では、すかいらーくホールディングスの子会社となった「資さんうどん」をリサーチしてきた体験談を書きました。

大阪初日に訪れたのは、京都と大阪の府境近くにある、サントリー山崎蒸溜所。
ウイスキーに詳しいわけではありません。
高級ウイスキーを普段から飲んでいるわけでもありません。
それでも一度、自分の足で山崎蒸溜所に行き、非上場企業を中核とするサントリーグループが長い時間をかけて作ってきたブランド価値を見てみたいと思ったのです。
大阪一人旅でサントリー山崎蒸溜所を選んだ理由
関西一人旅で、サントリー山崎蒸溜所を選んだ理由はいくつかあります。
ウイスキーの知識を経験ベースで学びたかった
そもそも、私はお酒が大好きで、飲み会も好きなのですが、お酒の知識があるかというと、皆無に等しいくらいです。
お酒に詳しい人と言えば、ワイン、日本酒、ウイスキー、この三種の神器どれかを語ることができると、私的には大人のたしなみを持っているすごい人だなあと思ってしまいます。
実際、日本酒、ワイン、ウイスキーを語れる友人がいるのですが、その友人と飲む時は、まあお酒の会話は続かないのです。
そして、そこまで詳しく知りたい、ただ美味しく飲めれば良いという根っからの考えがあるので友人から色々とお酒に関する知識を聞くのですが、まあ頭に入りません。
だから、私は知識で勝負するのではなく体験で勝負しようと思ったのです。
友人からも、酒蔵や蒸溜所に行けば興味を持つようになり知識が増えるのではないかと勧められたのもきっかけで、大阪出張が決まったときに、そういえばサントリー山崎って関西じゃなかったっけ。
と、調べたことで、訪れることに決めました。
家族旅行ではなかなか行かない場所だからこそ、一人旅で行く
普通、初めて関西に行くのであればUSJや、なんばグランド花月などに行きそうじゃないですか。
私は、中学、高校の子供がいる4人家族世帯です。
当然、旅行も家族で行くことが多く、特に遠方に計画的に行くときは基本的には家族で行くことが多いです。
関西にも、いつか家族で行ってみたいと話していましたが中々行く機会がありませんでした。
そんな中、私一人が関西出張を機に、旅行に行くことになったので、できればUSJや、なんばグランド花月などの観光地には家族と一緒の時に初めての楽しさを共有したいと思ったので、今回は山崎蒸溜所や、別記事でも書いたうどんチェーン店の資さんうどんに行くことにしました。
非上場企業サントリーが作り出すブランド価値を見てみたかった
株式投資を始めてから、世の中にある様々な物やサービス、企業について興味を持つようになってきました。
サントリーは、上場してもおかしくないくらいの規模で、かつ、非上場企業でも突出した存在感を放っている企業です。
上場していないのにも様々な理由があると思いますし、上場していないからと言ってだめだというわけでも全然ありません。
実際に、日本の多くの企業は上場しておらず、上場しているのは約3000社の一部の企業なのです。
サントリーの山崎ウイスキーは、長い年月をかけて作り出された歴史と文化を感じさせてくれるブランドウイスキーです。
非上場企業だからこそ、じっくりと研究開発をすることができたのではないか。長期投資かの私としては、長い年月をかけたブランドづくり、という点に興味を持ったのです。
サントリー山崎蒸溜所とはどんな場所なのか

サントリー山崎蒸留所とはいったいどんな場所なのか。簡単に概要を説明します。詳しくはサントリーのホームページを見ていただくとわかるので、以下のリンクを参照してください。
(※サントリーのホームページを開くと、未成年者の有無を確認する画面がポップアップします。お酒企業ならではの企業倫理ですね。)
山崎・白州・知多、それぞれの個性
サントリーウイスキーで有名なブランドとして、山崎、白州、知多、響、角瓶などがあります。
山崎と白州は、大麦麦芽のみを使い「単一の蒸溜所」で造られたウイスキーです。
知多は、トウモロコシなどの穀類を主な原料としたシングルグレーンウイスキーです。
両者ともに特徴があり、非常においしいウイスキーですが、普段飲みするにはちょっとお高いので、バーに行った時ぐらいしか飲む機会はありません。
その中でも、蒸留所を見学できるのは山崎蒸溜所(大阪府)と白州蒸溜所(山梨県)になります。
無料見学と有料見学。今回はウイスキー館見学へ
蒸溜所見学は、予約なしでは入場できません。ショップやテイスティングラウンジでも予約はない客は入れないのです。
これを知らずに行ったら、外観を眺めて終わりになってしまうので必ず予約しましょう。また、20歳未満の方だけでの来場はできません。
20歳未満の方は試飲やウイスキーの購入ができないため、家族旅行で訪れる場合は、見学内容を事前に確認した方がよいでしょう。
サントリー山崎蒸溜所には、三つの見学コースがあります。
【抽選式】山崎蒸溜所ものづくりツアー(有料・日本語):3000円
【抽選式】山崎蒸溜所ものづくりツアープレステージ(有料・日本語):10,000円
山崎ウイスキー館見学(無料・製造工程見学無し)
有料ツアーは、ものづくり現場を直接見学することができて、より深くサントリー山崎のウイスキーが誕生するまでの過程やストーリーを楽しむことができます。
私も、せっかくなので有料ツアーに行きたいと思い、抽選の日程を確認したところ、抽選期間が過ぎていて応募すらできませんでした。
早めにチェックしておけば良かったと後悔も、後の祭りです。
予約が必要と分かっただけでもヨシとしようと、気を取り直して無料の山崎ウイスキー館見学コースに応募しました。
入場時間が一時間単位で決められており、運よく伊丹空港到着時刻の二時間後、14時~15時の枠を取ることができました。
山崎蒸溜所へ向かうだけで少し気分が上がる
伊丹空港から、空港モノレールに乗って目的地に向かいます。途中で万博記念公園を通過するため、思いがけず太陽の塔を見ることができました。
電車内から見た為、一瞬だったけど、思っていたより太陽の塔は大きく、芸術が爆発していました。岡本太郎の凄さの片鱗を見れた気がしました。
南茨木駅で阪急京都線に乗り換えて、合計所要時間は約1時間で大山崎駅に無事到着しました。
駅から徒歩でも十分行ける距離
当日は晴天でしたが、かなりの猛暑で炎天下で、日傘をさしている人も多く、タクシーで行こうか迷ったのですが、Googleマップで調べると、徒歩15分程度なので十分に歩ける距離だなと思ったので、徒歩で向かうことにしました。
朝一の飛行機で大阪に来て、見学入場時間に余裕もって間に合うようにと思ったので道中何も食べずに大山崎駅まで来ました。
これから炎天下で歩くこと、ウイスキーの試飲を空きっ腹で迎えるのは得策ではないと思い、駅隣のコンビニにて、塩おにぎりとお水を購入。

蒸留所までの道の途中、大阪府と京都府の府境があり、思わず写真撮影。これで京都府にも初めて行ったという実績を手に入れることができました。


元々、山崎がある島本町は、京都盆地から大阪平野へ抜ける交通の要衝として古くから栄えた町だそうで、桂川・宇治川(淀川本流)・木津川の三川合流の地になっていて、蒸溜所の地としての決めても、豊富かつ良質な水源に恵まれていた地だったからだそうです。
山崎蒸溜所に到着。ここから空気が変わる
歩くこと15分、JR京都線の線路越しに、木々に囲まれたサントリー山崎蒸溜所のでっかい工場が見えてきました。

遠目にも、歴史と風格が漂う建物で、一気に空気感が変わった感じがしました。これは直接行かなければ絶対に分からない感覚だと思います。AIの時代、このような五感で感じる体験はとても大事にしたいところですね。
まず、目についたのは大きな工場の建屋。山崎とでっかく壁看板があったので一目で山崎蒸溜所だとわかります。
山崎ウイスキー館で、時間が価値になることを体感する
今回は、有料の工場見学ではないので、入場できるのはウイスキー館のみです。大きな工場を横目に、案内表示に沿って並木道を歩くと、ウイスキー館が見えてきます。

テラス席もあり、大きなガラス窓の奥にはすでに試飲している人が見えました。
なんだかワクワクしてきました。
ウイスキー館かの入口脇には、キャリーケースも十分に入るような大きなコインロッカーも併設されており、遠方地から訪れたお客様への気遣いが感じられました。
歴史資料から感じる、先人たちの積み重ね
ウイスキー館に入館すると、受け付けカウンターがありました。14時ちょうどに入館したので、スムーズに受け付けしてもらい、簡単な説明を受けて、いざ資料スペースへ。
創業者、鳥井信治郎と山崎蒸溜所誕生の歴史、
赤玉ポートワインの普及活動、
国内初の本格モルトウイスキー誕生へ、
「角瓶」の誕生、
ものづくりの探求心、
どのエリアも、先人たちの物づくりへのこだわりと歴史を感じさせる素晴らしい資料館でした。
たくさん写真を撮ってきましたが、ここですべて載せるのも、ちがうなあと思うので、ぜひ現地に足を運び、感じていただきたいです。
テイスティングラウンジで山崎ノンエイジ・12年・18年を飲み比べ
テイスティングラウンジでは、サントリーのウイスキーを試飲(有料)できるスペースが1階にあります。
ウイスキーのストレート、ロック、ハイボールも飲むことができ、飲み比べができるセットもありました。
今回は、山崎ノンエイジ、山崎12年、山崎18年の飲み比べストレートを注文してみました。値段は1,900円でした。

3種類をストレートでこの値段で試飲できるのはかなりの格安だと思いました。
3種類飲んでの感想ですが、素人目線でも、味、香り、色味、はっきりとわかるくらい違いを感じれました。
中でも山崎12年は一番まとまりがあり完成された感があるウイスキーで、人気が高いのもうなずけるおいしさでした。
山崎18年はより深く、薫り高い感じでした。

長期間、樽の中で、ただ寝かせておけばよいというわけではなく、厳選なる管理が必要なわけで、非上場企業だからこそできる、徹底的なこだわりと時間を味方につけた、まるで個人投資家のような業物にただただ感服する味わいでした。
3種の飲み比べセットを堪能し、次はハイボールにしましょうか。
と、思ったのですが、次工程もあり、長旅の疲れで次の日の仕事に支障をきたす可能性があったため、涙をこらえてテイスティングラウンジを後にしました。

是非飲みたかった、本当に飲みたかった。
GIFTSHOPでお土産を購入。体験に紐づいた消費
ほろ酔い気分で次に向かったのはGIFTSHOPです。
山崎ウイスキーはもちろんのこと、碧Aoなどのブランドウイスキーが陳列されていて、限定ウイスキーも販売されていました。
ほかにも、なら樽の木材を使用したスプーン、コースターなどが販売されており、ついつい色々購入したくなってしまいました。
また、特徴的だったのが、山崎ウイスキーノンエージや限定ウイスキーは、各商品おひとり様1品限りと販売を限定していて、かつ、静脈認証で履歴管理するといった徹底的な転売防止販売をしていました。
それもそのはず、山崎ウイスキーをネットで調べると、店頭表示価格の2・3倍は当たり前の価格で取引されています。
山崎25年700mlなんかは、希望小売価格41万5,000円(税別)に対して、ネットでは100万円を超える価格で販売されていることもあります。
そんなお酒を少しでも味わうことができたことはとてもありがたいことだと素直に思いました。
まずはお目当ての山崎ノンエイジと、限定品、限定品2本とグラスとチョコレートがセットになった3品を1品ずつ静脈登録してもらい購入しました。
帰ってから、友人とハイボールで飲みたいと思います。
隣接するアサヒグループ大山崎山荘美術館へ
サントリー山崎蒸溜所を後にして次に向かったのは、徒歩15分くらいのところにあるアサヒグループ大山崎山荘美術館。
美術館を訪れた理由は、私が美術品に造詣が深く、大人の気品溢れる施設に訪れて鑑賞に浸るといった理由では全くありませんでした。
投資信託ひふみシリーズを運用していた、藤野英人さんが運営しているオンライサロン「FLOWフッシーの会」の中で、関西初訪問にあたり、おすすめスポットを聞いたところ、元々行く予定だった山崎蒸溜所の近くにアサヒビールが運営している美術館の庭園が素晴らしいと勧めていただいたので訪れてみることにしました。
アサヒグループ大山崎山荘美術館は、関西の実業家であった加賀正太郎氏が大正から昭和にかけて建てた山荘で、ニッカウヰスキーの創設にも携わった人だそうです。
そのつながりで、加賀正太郎氏が没後、廃墟になっていた美術館をアサヒグループが支援し、今に至るそうです。
サントリー蒸留所とアサヒグループの美術館が隣接しているという面も、両企業の歴史とつながりを感じさせられるなんとも言えない雰囲気を醸し出している地域でした。
徒歩だと、トホホなくらい坂がきつい
炎天下の中、キャリーバッグを引きつつ歩き、JR山崎駅まで到着しました。
踏切を渡ると、アサヒグループ大山崎山荘美術館の案内板があり、その先は結構な坂道。
案内板には、美術館まで700mと書いてありました。
おいおい、この炎天下で坂道を700m歩くのかい!と、内心思いつつ、行くと決めたのでひたすら歩くことにしました。

途中、美術館に向かうであろう、おばちゃまご一行を乗せたタクシーが通りすぎていき、なんだか悔しい気分になりながら、何とか美術館の入口まで到着。
庭園と建物の雰囲気は素晴らしい
息も絶え絶えで、何とか到着した美術館の園庭はなんとも素敵な雰囲気でした。そして結構広い。

体力に余裕があれば、園庭すべてを周りたいところでしたが、周辺少しを散策した程度で断念し、美術館に入館することにしました。
入館料は1,500円、撮影禁止でした。
美術はサッパリわからなかった
先に述べたように、私は美術や芸術に造詣があるわけでもありません。
素晴らしい絵画や陶磁器も多数出展されておりましたし、ちょうど、開館30周年記念 没後100年 クロード・モネ展が開かれていました。
さすがの私も、モネという名前と、睡蓮という絵画の名前は知っていました。(※後から知ったのですが、睡蓮は連作で約300点あるそうで、アサヒグループが所有している睡蓮はその数作品だったみたいです。)
すごい綺麗だなあと思いましたが、そんな単純な言葉のレパートリーしか持ち合わせていない私は絵画を語る資格はありません。
モネの睡蓮を見た!という体験をしただけでも満足し、展覧会を後にしました。
疲れたあとのビールはやっぱり最高!
事前に、美術館内でアサヒビールが飲めると聞いていたので、喫茶室を探しました。
少し迷いましたが2階の喫茶室に入店。
閉館間近ということもあり、客はほとんどいませんでした。
高台からの景色が見えるテラス席に案内してもらい、山荘からの眺望を独り占め。

アサヒの瓶ビール、ニッカウイスキーのハイボールなどのアルコールが販売されていましたので、迷わずアサヒの瓶ビールと、少しお高いですが、スペイン産ポテトチップス トリュフ風味を注文しました。

関西初日で、一日中歩きまわっていたため、かなりの疲労がたまっていましたが、山荘からの景色と、のど越し最高!のアサヒビールを飲んで疲れが吹っ飛びました。
あー、やっぱり私は小洒落た高価なハイボールやウイスキーよりも、普通のビールが好きだと実感した瞬間でした。
というか、何処で、誰と、どんなストーリーでお酒を飲むかによって味や感じ方は様々変わるということでしょう。
ただ、この瞬間は、プチ達成感もあり、一人旅成功の予感を感じつつ最高の気分でビールを飲むことができました。
非上場企業と上場企業。ブランド価値の作り方は違うのかもしれない。
サントリーホールディングスは非上場企業なので、私たち個人投資家が直接株を買うことはできません。
山崎蒸溜所を訪れる前の私は、非上場企業だからこそ、短期的な株主還元や四半期決算にとらわれず、長い年月をかけてブランドを育てることができたのではないかと思っていました。
実際に山崎蒸溜所を訪れ、長い年月をかけて熟成されたウイスキーを味わうと、やはりそう思う部分はありました。
25年もの間、樽の中で寝かせれば、すべてがおいしいウイスキーになるわけではありません。
そもそも、25年後にどれだけ売れるのかも分からない中で原酒を仕込み、樽や貯蔵庫を準備し、品質を管理し続けなければならない。途中で売って利益を確定することもできません。
なんだか、長期投資にも似ています。将来どうなるか分からない中で、それでも時間を味方につけることを信じて、淡々と積み上げていく。
サントリーは創業者一族の影響力が強い非上場企業だからこそ、そのような長い時間軸で経営判断ができた部分もあるのかもしれません。
ただ、山崎蒸溜所のあとに、上場企業であるアサヒグループが運営する大山崎山荘美術館を訪れたことで、上場企業だから長期的なブランドづくりができない、という単純な話でもないと思いました。
アサヒグループも、ニッカウヰスキーという歴史あるブランドを持っています。
さらに、大山崎山荘という歴史的な建物や庭園、美術品を守り、多くの人が鑑賞できる場所として維持しています。
美術館を運営したからといって、すぐに大きな利益が出るわけではないでしょう。
それでも、建物や庭園、美術品を守り続けることは、企業の歴史や文化を伝え、長い目で見ればアサヒグループのブランド価値にもつながっているのだと思います。
非上場企業と上場企業。どちらが良い悪いという話ではありません。
非上場企業には、株式市場から一定の距離を置き、長い時間軸で経営しやすい良さがあります。
上場企業には、資本市場から資金を集め、事業を大きくし、利益を株主や社会へ還元していく良さがあります。
そして、上場しているかどうかにかかわらず、企業が長い時間と資本を使って何を残していくのか。山崎蒸溜所と大山崎山荘美術館を一日で訪れたことで、そんなことを考えました。
数字や株価だけでは見えない企業の歴史や文化を、自分の足で見に行く。これも、株散歩の面白さなのだと思いました。
まとめ|知識は増えなくても、体験した人にしか残らないものがある
今回、山崎蒸溜所を訪れたことで、ウイスキーの知識が増えたのかと聞かれると、正直、そこまで増えていません。
ウイスキーの基本的な知識、山崎、白州、知多の違いや、熟成年数によって味や香りが変わることは少し分かりました。
でも、友人から詳しく聞かれたら、うまく説明できる自信はなく、やっぱり私はお酒の知識を語る側にはなれそうもありません。
それでも、実際に山崎蒸溜所へ行ったことで、長い時間をかけて積み上げられてきた歴史や、先人たちのものづくりへのこだわりを少しだけ感じることができました。
線路越しに見えた山崎の大きな建物。ウイスキー館に入ったときのワクワク感。山崎ノンエイジ、12年、25年の色や香りの違い。
これらは、ホームページや本を読むだけでは分からず、実際に行ったからこそわかる雰囲気、匂い、空気感がありました。
アサヒグループ大山崎山荘美術館でも同じでした。正直、美術品を見ても気の利いた感想は何一つ出てきませんでした。
モネの睡蓮を見ても、「おお、本物だ。綺麗だなあ」くらいです。
それでも、炎天下の中、キャリーバッグを引いて急な坂道を上り、歴史ある山荘でモネの睡蓮を見た。そして最後に、2階のテラス席から景色を眺めながらアサヒビールを飲んだという一連の体験は、たぶん長く記憶に残ります。
そして、アサヒグループ大山崎山荘美術館を訪れて感じたのは、大企業や一部の富裕層が、さまざまなものに投資し、その価値を守ってきたからこそ、文化が脈々と続いてきた面もあるのではないかということです。
もちろん、大衆が文化を作っていないというわけではありません。
ただ、歴史的な建物や庭園、美術品を長い時間にわたって保存し、多くの人が鑑賞できる状態で残すためには、やはり資本の力も必要なのだと感じました。
サントリーとアサヒ。
それぞれの企業が持つ歴史や文化、特徴を生かしながら、今の日本に、お酒を楽しむ文化やブランドのストーリーを残してきたのだと思います。
企業のブランド価値とは、商品そのものの品質や値段だけではないのかもしれません。
その商品が作られた場所や歴史を知り、実際に体験し、自分の記憶と結びつく。
それらがひもづき、一人ひとりのストーリーになります。
すると、次にお店で商品を見かけたときの感じ方が少し変わります。
私も山崎蒸溜所を訪れたことで、これから山崎のウイスキーやサントリーの商品を見たときには、この日の景色や体験を思い出すと思います。
そして、大山崎山荘美術館を思い出しながら、アサヒビールを手に取ることもあるでしょう。
これが、企業が長い時間とお金をかけて作り出すブランド価値なのかもしれません。
ストレートで試飲し、山崎の歴史を感じるのも良い。
高台のテラス席で、景色を眺めながら一人で飲むビールも最高でした。
でも、やっぱり私は、友人や家族と楽しい会話をしながら飲む角ハイボールや金麦が一番好きです。
山崎蒸溜所で購入したウイスキーは、家に帰ってから友人とハイボールにして飲みたいと思います。

そのときはきっと、ウイスキーの細かい知識ではなく、炎天下の中を歩いたことや、京都と大阪の府境で写真を撮ったこと、山荘までの坂道がトホホなくらいきつかったことを話しているのでしょう。
知識は本当にそこまで増えなかった。それでも、実際に行った人にしか残らないものは、確かにありました。
株散歩はおもしろい。これからも続けていきたいと思った体験でした。
